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::: 高津教会 説 教 :::


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Name   fujimoto
Subject   我、渇く
「母よ、さようなら」「我、渇く」
    ヨハネ19

 この受難節に入って、十字架にかけられた主イエス・キリストが、十字架の上から語られた言葉を、学んできました。
1)父よ、彼らをおゆるしください、彼らは何をしている のか自分ではわからないのです。
2)我が神、我が神、どうしてわたしをお見捨てになったのですか。
 そして、今日は、26節の「女の方、そこにあなたの息子がいます」。そして、28節の「わたしは渇く」です。
 2月13日の午後、教会で「パッション」という主の十字架の映画を見ました。私にとっては2回目ですが、イエスさまが受けられた壮絶な鞭打ちの刑、そして十字架に釘付けにされる場面は、何度見ても、胸の奥に痛みを感じるほど、息をするのが苦しくなるほど、強烈なものでした。
 しかし、今年の受難節、私にとって受難の現実は映画から受けたものではありませんでした。まさに主の十字架のような痛み、苦しみと毎日のように向き合ってきました。それが田島兄の闘病であり、藤川姉の闘病でした。それはまさに主の十字架のようでした。

1)イエスさまは、母マリヤに言われます。
 「女の方、そこにあなたの息子がいます」
 マリヤは、この時にはそれなりの年令だったでしょう。髪の毛には白髪がまじっていたかもしれません。顔にはしわがあったかもしれません。もはや若い頃のマリヤではありません。私たちにとっては、イエスさま。主です。しかし、マリヤにとっては、息子でした。
 その息子が、十字架に張り付けになりながら、マリヤの脳裏のどんな思い出がよぎったのでしょうか。ベツレヘムでの出産、飼い葉桶のイエスさまでしょうか。父親のヨセフの手伝いをしていた、少年の姿も思い起こしたかもしれません。12才で、エルサレムへ行った帰り、気がついたら、その姿がなくて、パニックになって、探して走り回ったことか。ある日、イエスさまが仕事場からいつもより早く帰ってきて、息を切らして、言いました。
 「バプテスマのヨハネが捕らえられた。ヘロデに」
 大工の仕事着を脱いで、手のほこりを払って、母親に別れを告げて、外に出ていきました。遅かれ早かれそんなときが来ると、わかっていたはずです。
 そして、今その愛する息子が十字架にかかり、その息子の口から、別れの言葉が発せられたのです。イエスさまが十字架の上でおっしゃった7つの言葉の内の一つは、別れの言葉でした。
 「さようなら。これからは、このヨハネをあなたの息子と思ってください」
 「さようなら。これからは、ヨハネがあなたの面倒を見ます」
 十字架の死がマリヤの胸を刺し通したのか、別離の悲しみが、刺し通したのか。少なくともイエスさまの胸をより深く刺し通したのは、その手の釘ではありません。母マリヤに対する思いでしょう。主イエス・キリストは、別れの悲しみを知っていました。私たちが、幾重にも体験する、この別れの悲しみを主ご自身が知っておられたのです。
 2月9日、緩和ケアの病室で田島さんに洗礼をお授けしました。洗礼が終わった後、私の手を堅く握って、しっかりとした口調でこうおっしゃいました。
  「先生、ありがとうございました。私は、これまでの人生をふり返り、どんなことがあっても神を信じて、明日に向かって進んでいきたいと思います」
  感動しました。これまでに病床で洗礼を授けたことも幾度もあります。しかし、病床におられる方から、洗礼の後で、あれほど積極的にしっかりと決意の言葉を聞いたのは、はじめてでした。明日に向かってというのが、厳しく短い明日であることを知りながら、勇ましくおっしゃいました。
 私たちは、お願いしました。
 「田島さんは、キリストを信じ、天国に行くことを約束されたのです。死を恐れることはありません。しかし、地上に残される家族に、別れのことばを残してあげてください。お嬢様たちは、そのことばを握って、この闘病を思い出して、がんばっていくのです」
 それ以来、それを書くのが田島さんの宿題になりました。薬の影響で、意識がもうろうとして文章が書けないのです。しかし、力を振り絞って、看護学校に通うゆみさんに、高校を卒業しようとしているえみさんに、結婚20周年を迎えようとしている奥様に、言葉を残されました。暖かい言葉です。ですから、いっそう別れの悲しみが伝わってきます。
  しかし、そのとき、だれもがわかるのです。深い愛は、別離を越える。そして、深い愛は、この地上における生死を越えて、神の御心に生きるときに、つながっています。マリヤにはそれがわかったはずです。かつて、「お言葉通り、この身になりますように」そう言えたマリヤには、この時も、そう言えたのではないでしょうか。神の御心のままに、この身になりますように。その信仰を隣にいるヨハネも受け取ったのです。

2)「我、渇く」です
 藤川姉が、なくなる2週間ぐらい前から、水分が思うように排出されなくなりました。排出されない水分が身体に回って、手も足もむくんでおられるときがありました。ですから、点滴をすることができません。食事も取ることができません。水分なしに約2週間です。ご主人は、ガーゼを水に浸して、それを口元にときどき当てておられました。何度も何度も。水差しで飲むこともできずに。
 それを見て、私が思ったのが、この聖句でした。「我、渇く」――ああ、イエスさまの十字架と同じだ。主はその言葉の後で、酸いぶどう酒を含んだ海綿を口に当てられました。
 十字架の上で、「父よ、彼らをおゆるしください」と罪人を赦し、「我が神、我が神、なぜ私をお見捨てになったのですか」と神に訴え、「完了した」と贖いを成し遂げる神々しい言葉がいくつかあります。しかし、この「我、渇く」ほど、人間的な苦しみを直接伝える言葉はありません。十字架の上で、水分も血液も全部流れていく、苦しみにあえいで、口の中が乾ききった主は、渇いて、渇いて、ガーゼに浸された水を少し口に含んで、口の中を潤していた藤川姉の渇きを、苦しみをわかっていてくださったのです。
 王の王であり、主の主であり、聖なる方であり、嵐を沈め、天地をふるい動かすこの方に向かって、私たちが、愛するイエスさま、ああ主よ、と呼びかけるのは、この御方が、別れの悲しみも、喉の渇きも、肉体の痛みも心の痛みもすべて知っておられるからです。この方が、私をわかってくださるからです。

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DATE: 2005.03.15 - 20:34

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